第2回  抗てんかん薬の後発医薬品(ジェネリック)について

第2回 抗てんかん薬の後発医薬品(ジェネリック)について

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抗てんかん薬を後発医薬品(ジェネリック)に切り替えても良い?

ジェネリック医薬品(GE)とは、先発医薬品の特許期間終了後に発売される、先発医薬品と同等の有効性・安全性が確認されている医薬品です。GEの値段は安価で供給されるため、医療費抑制に役立つため我が国ではGEの処方推進の施策が行われています。

2021年11月現在、GEの抗てんかん薬(特にバルプロ酸、カルバマゼピン)の供給が不安定になっていることが問題となっています。今回は改めて抗てんかん薬のGEについて考えてみたいと思います。

GEの吸収や分解、効果を出す過程が先発品と比べて20%以内ならば同等と考えられて発売の承認が得られます。このような薬の代謝の変化がそのまま直接有効性や副作用に影響を与えるわけではありません(つまり、20%効果が強くなる・弱くなるというものではない)が、微妙な影響は実際に出ると思います。そのような微妙な変化は大多数の人の発作や副作用に大きな影響は与えないようですが、やはり発作や副作用に影響が出てしまう方はいるようです。

そのため、2018年のてんかん診療ガイドラインでは「先発品で発作が抑制されている患者ではGEへの切り替えを推奨しない」としています。まだ発作がおさまっていない方、これから治療を始める方に関してはGEを使用することへの問題は少ないかもしれません。

GE関係の明るいニュースとしては2021年12月にいよいよレベチラセタムのGEが発売されます。いずれにせよ、先発品からGEへの切り替えにはリスクとベネフィットをよく主治医と相談して判断するのがよいと思います。

(文責: 谷口豪 てんかん診療科)