第11回
てんかんの食事療法「ケトン食」
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- 第11回てんかんの食事療法「ケトン食」
てんかんの食事療法“ケトン食”はご存知ですか?
食事療法と聞くと糖尿病を思い浮かべるかもしれません。糖尿病Ⅱ型では、食事による摂取内容の是正が、最初に行う治療です。てんかんのケトン食療法は糖尿病のそれとは少し違います。
ケトン食療法
- 糖分の代わりにケトン体を脳のエネルギー源にすることで発作軽減を期待する食事療法
- 食事内容 ケトン体を作るため糖質(炭水化物)を制限し、脂質を多く摂る
- 有効性 抗てんかん薬で発作が消えない患者さんの中にはケトン食が有効な患者さんがいて、発作が半分以上減る人が半数弱、完全に抑制される人が数%とされる
- 副作用 導入時には低血糖、消化器症状、電解質異常、易感染性など、慢性期にはビタミン、ミネラル等の不足、成長障害、結石など
- 医師の指示のもとに入院して導入する
ケトン食療法は、家族、医師、栄養士など多くの人が協力して行う治療法です。大変ではありますが、有効な場合にはとてもやりがいのある治療になるでしょう。少しでも興味があればご相談ください。

当院における栄養士の工夫: 炭水化物を減らし、脂質を増やすと見た目も味も油っこく、食べにくいものになってしまいます。ケトン食であっても食事を楽しめるように担当栄養士が市販の低糖質食品などを利用し、メニューを開発しています。
文責:住友典子(脳神経小児科)
