
第22回
てんかんに対する脳深部刺激療法(DBS)
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2024.01.10
てんかんに対する脳深部刺激療法(DBS)
脳深部刺激療法(DBS)は、脳の中に植え込んだ細い電極から弱い電気刺激を与えて、てんかん発作の数を減らすことを目的とした治療です。これまでパーキンソン病や振戦(しんせん)の治療に用いられてきましたが、2023年からはてんかんでも保険適用となりました。
対象となるのは、側頭葉てんかんなどの「焦点てんかん」で、さらに、これまで何種類かの抗てんかん薬を使用しても発作が治まっておらず、焦点切除などの開頭手術が難しい患者さんに限られます。治療の効果には幅がありますが、発作の数が30~50%程度減るとされます。(Peltola J, et al: Neurology 100: e1852-e1865, 2023)
この治療には、左右両方の「視床前核」と呼ばれる場所に全身麻酔で電極を植え込む手術が必要になります。
DBSは、迷走神経刺激療法(VNS)と同じくニューロモデュレーション療法(電気や磁気、薬剤などによって神経を刺激する)のひとつです。てんかんの原因が言語野や運動野など重要な機能を担う場所にあって開頭手術が難しい場合や、VNSを行ったけれども期待した効果が見られていない場合などが対象となる可能性がありますので、DBSの実施について医師にご相談ください。