第6回てんかんと発達障害

第6回
てんかんと発達障害

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小児のてんかんでは、発達障害の併存率が非てんかん群よりも高く、てんかん児の20%で自閉スペクトラム症(ASD)、30%で注意欠如多動症(ADHD)の併存が報告されています。そのうち3分の2がてんかん発症後に新たに発達障害と診断されており、抑うつや不安、強迫性障害、気分障害などの精神障害の合併も若年発症であるほど高いと報告されています。

また、発達障害ではてんかんの併存率が高く、ASDでは5~38%にてんかんが併存し、知的障害をともなう場合は、知的障害がない例の約3倍にてんかんの併存が報告されてます。ADHDでは12~17%にてんかんの併存が報告されています。

てんかんに発達障害が併存したり、発達障害にてんかんが併存したりする場合は、それぞれの抗てんかん薬の特性や相互作用を考慮した薬物治療を行う必要があります。医療機関と家庭と教育現場の連携の下、成長発達に応じた日常生活、集団生活上の相談、家族(保護者)、本人への心理的支援が重要です。

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(文責:てんかん診療部長・てんかんセンター長 中川栄二)