睡眠日誌について

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2021/6/25

文責:羽澄 恵

はじめに

今回は、2021年2月20日に開催した市民公開講座(第二部)の「新型コロナ禍でも良質な睡眠を確保するコツ」から、睡眠日誌をご紹介します。

このコラムの内容

睡眠日誌について

1.睡眠状態を確認する大切さ

2.睡眠日誌の記載方法

3.睡眠日誌を記載するときに気をつけること

4.睡眠日誌を見直すときの観点


1.睡眠状態を確認する大切さ

睡眠日誌は、普段の睡眠の長さや規則性といった睡眠状態を把握するのに有用です。
自分の認識と実際の睡眠状態にはしばしば乖離がみられますが、睡眠日誌を用いてチェックすることで、自分の睡眠状態を正確に把握したり、自覚していなかった睡眠の特徴を発見したりできる可能性があります。
睡眠障害外来では、睡眠の問題や睡眠障害の診断を検討する際に参照するほか、その後の治療経過を把握するのに用います。
これから初診を予定している方は、記録済の睡眠日誌を持参して初診に臨むと診察が円滑になるでしょう。
また、睡眠外来に通院していない場合でも、健康な睡眠状態が維持できているか確認したり、問題にいち早く気づいたりするのに役立ちます。


2.睡眠日誌の記載方法

睡眠日誌には、横になっていた時間帯は矢印を記入し、実際に眠っていた時間帯は塗りつぶします(図)。
ぐっすり眠っていた時間帯は濃い色、うとうとしていた時間帯は薄い色や斜線にするなどして区別すると、より詳細に把握できます。
日中に横になったり、仮眠やうたた寝をした場合も、忘れずに記録しましょう。
さらに、日中の眠気の強さを10点満点で評価します。日中の行動や、特別な出来事、体調の変化等があった場合は、特記事項の欄に記載しておくこともおすすめします。

※主治医から記載方法の指示があった場合は、それに従ってください。

睡眠日誌の例(縦型睡眠日誌)

3.睡眠日誌を記載するときに気をつけること

毎朝、起きたときに、その夜の様子を思い出しながら記載するのがコツです。
後から数日分まとめて記載しようとすると記憶が薄れて不正確になる反面、目覚めるたびに時計を見ながら書き込む等あまりに正確に記載しようとすると頭が冴えて眠りにくくなる危険があります。
また、2~3日だけ、あるいは気が向いた時だけ記載するのではなく、2週間程度毎日継続することが大切です。


4.睡眠日誌を見直すときの観点

記録が十分蓄積されたら、睡眠時間の規則正しさや時間帯、長さ、睡眠状態と日中の調子の関連等に留意しながら振り返りましょう。
例えば、起床時間が日によって2時間以上異なるなど不規則な場合は起床時間をそろえるよう意識する、不眠症状に悩んでおり睡眠時間が横になっている時間よりも大幅に短い場合は横になる時間を短くしてみる(睡眠のセルフケア参照)などは、おすすめです。
ただし、睡眠日誌は先入観が睡眠時間に反映されやすい、睡眠中の問題はわからないといった短所があります。
客観的に評価したい方や、睡眠日誌の結果に心配な点が見つかった方は、睡眠障害外来に足をお運びください。