神経研究所 疾病研究第七部 内田 裕輝 研究生が、『第43回日本生物学的精神医学会・第51回日本精神神経薬理学会 合同年会』において『第1回若手生物学的精神医学研究奨励賞』を受賞しました

神経研究所 疾病研究第七部 内田 裕輝 研究生が、『第43回日本生物学的精神医学会・第51回日本精神神経薬理学会 合同年会』において『第1回若手生物学的精神医学研究奨励賞』を受賞しました

  1. TOP
  2. トピックス
  3. 神経研究所 疾病研究第七部 内田 裕輝 研究生が、『第43回日本生物学的精神医学会・第51回日本精神神経薬理学会 合同年会』において『第1回若手生物学的精神医学研究奨励賞』を受賞しました

NCNPヘッダーロゴ.png

2021年9月27日
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)

 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市、理事長:中込 和幸)神経研究所(所長:岩坪 威)疾病研究第七部(部長:本田 学,第二研究室長:山下 祐一)内田 裕輝(うちだ ゆうき)研究生(東京医科歯科大学 博士課程1年)が、『第43回日本生物学的精神医学会・第51回日本精神神経薬理学会 合同年会』(開催時期:2021年7月14日~7月16日,開催地:京都・webハイブリッド開催)において、『第1回若手生物学的精神医学研究奨励賞』を受賞しました。

<演題名・著者>
「精神疾患における栄養摂取の変調とその治療法:計算論的アプローチからの検討」
内田 裕輝、疋田 貴俊、山下 祐一

<研究概要>
 精神疾患・発達障害では、自分の体の状態を知るための感覚である「内受容感覚」(内臓感覚、心拍数、筋緊張などの感覚)に乱れが生じ、適切な調整に失敗することが体調不良につながる、という仮説が提唱されています。今回私たちは、食行動によって栄養状態を適切に維持する計算モデルをコンピュータ上で仮想的に構築し、モデルに「内受容感覚」の乱れが生じると、どのような食行動、報酬、体調の変化が生じるのかをシミュレーションにより検証しました。すると、「内受容感覚」が減弱したモデルでは、空腹時に栄養を摂取する回数が減る、食による快が得にくい、体内状態の変動が増大する、といった不調が見られました。さらに、こうした不調を改善する手法のシミュレーションを行なった結果、食事や、食事に含まれる栄養に対する注意を強めることが、こうした不調を改善する可能性があることが示唆されました。本研究は、他者からは確認しにくい精神疾患・発達障害の感覚や状態を、客観的に評価する技術開発の基礎となることが望まれます。

<リンク>
日本生物学的精神医学会 https://www.jsbp.org/info/20210820.html