精神保健研究所 精神疾患病態研究部 長谷川尚美リサーチフェローが 第5回日本精神薬学会総会・学術集会にて日本精神薬学会賞を受賞しました

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2021年10月18日
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)

 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市、理事長:中込和幸)精神保健研究所(所長:金 吉晴)精神疾患病態研究部(部長:橋本亮太)の長谷川尚美(はせがわ なおみ)リサーチフェローが、8月28日付で第5回日本精神薬学会総会・学術集会において日本精神薬学会賞を受賞しました。

写真前列/国立精神・神経医療研究センター 精神疾患病態研究部 長谷川尚美リサーチフェロー
写真後列/左より国立精神・神経医療研究センター 精神疾患病態研究部 三浦健一郎室長、橋本亮太部長、松本純弥室長

受賞演題
「統合失調症とうつ病の薬物治療に対するEGUIDEプロジェクトの効果:2016~2019年の処方調査から」

研究概要
 治療ガイドラインの普及と教育を目的とした「精神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果に関する研究(EGUIDEプロジェクト)」は精神科医に対し講習を行い、その効果を、ガイドラインの推奨治療について客観的に医療の質を評価する指標となるQuality Indicator(以下QI)を作成し評価しています。本研究は講習会が処方行動に関するQIに与える影響を検討しました。
2016~19年度に収集した統合失調症7405症例、うつ病3794症例の退院時の処方を解析したところ、統合失調症において講習の効果が得られた(割合が高くなっていた)QIは、抗精神病薬単剤治療率、 他の向精神薬との併用もない抗精神病薬単剤治療率、抗不安薬・睡眠薬の処方されていない割合でした。うつ病でも同様に、抗うつ薬単剤治療率、 他の向精神薬との併用もない抗うつ薬単剤治療率、抗不安薬・睡眠薬の処方されていない割合が講習の影響がある群で高くなっていました。これらの結果より、講習の受講によりQIが向上することが示され、講習は精神科医の処方行動を診療ガイドラインが推奨するものに近づける可能性が示唆されました。
今後もプロジェクトを継続することで、診療ガイドラインの普及を目指したいと考えています。

リンク:

一般社団法人 日本精神薬学会ホームページ・日本精神薬学賞
https://www.js-pp.or.jp/jspp-award/#

NCNP 精神保健研究所 精神疾患病態研究部
https://byoutai.ncnp.go.jp/