精神保健研究所 精神疾患病態研究部 橋本亮太 部長が 第117回日本精神神経学会学術総会にて優秀発表賞を受賞しました

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2021年11月8日
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)

 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市、理事長:中込和幸)精神保健研究所(所長:金 吉晴)精神疾患病態研究部 橋本亮太 部長が、9月21日付で第117回日本精神神経学会学術総会にて優秀発表賞を受賞しました。

写真前列/国立精神・神経医療研究センター 精神疾患病態研究部 橋本亮太部長、長谷川尚美リサーチフェロー
写真後列/左より国立精神・神経医療究センター 精神疾患病態研究部 三浦健一郎室長、松本純弥室長

演題名:「統合失調症とうつ病の治療に対するEGUIDEプロジェクトの効果」


概要:統合失調症とうつ病の治療ガイドラインが発表されたが、ガイドラインが推奨する治療の実施率は低く施設ごとのばらつきが大きいことから、ガイドラインの実臨床への普及(社会実装)は十分とは言えない。そこで、治療ガイドラインの社会実装を目的とした「精神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果に関する研究(EGUIDEプロジェクト)」が開始された。本プロジェクトはガイドラインの講習会を実施し、受講者の勤務施設の処方データから講習の効果を検証している。
本研究は講習会の処方行動に対する効果の評価を目的に、EGUIDEプロジェクトにおいて収集された処方データを担当医の受講状況に基づいて症例を分類し、講習の影響の有無で処方行動が変化しているかを検討した。
統合失調症において講習の影響がある群が、影響がない群と比べ高かった治療率は、抗精神病薬単剤治療率、他の向精神薬との併用もない抗精神病薬単剤治療率、抗不安薬・睡眠薬の非処方率であった。うつ病においても、抗うつ薬単剤治療率、他の向精神薬との併用もない抗うつ薬単剤治療率、抗不安薬・睡眠薬の非処方率であった。
以上から講習の受講により、治療ガイドラインが推奨する治療の実施率が向上することが示された。本プロジェクトの活動は、本邦の精神科医療の均てん化に有用であると期待されている。



リンク:

公益社団法人 日本精神神経学会
日本精神神経学会学術総会 優秀発表賞(受賞者一覧)
https://www.jspn.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=43


NCNP 精神保健研究所 精神疾患病態研究部
https://byoutai.ncnp.go.jp/