わが国初、「こころの幸福度」高い社会をめざしたメンタルヘルスプラットフォームの構築 ~KOKOROBO-Jの全国実装を推進~

わが国初、「こころの幸福度」高い社会をめざしたメンタルヘルスプラットフォームの構築 ~KOKOROBO-Jの全国実装を推進~

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2022年10月31日
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター (NCNP)
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わが国初、「こころの幸福度」高い社会をめざしたメンタルヘルスプラットフォームの構築
~KOKOROBO-Jの全国実装を推進~

 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP)病院 情報管理・解析部 室長の竹田和良をプロジェクトリーダーとし、複数の大学、企業、特定非営利活動法人(NPO)が参画する研究グループが、国立研究開発法人科学技術振興機構(以下、JST)が運営する共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)において、令和4年度共創分野・育成型の研究拠点に採択されました。
 思春期を主とした若年者のメンタルヘルスに焦点を当てつつ、いつでもどこでも誰でもアクセス可能な全世代対応型遠隔メンタルヘルスケアシステム(KOKOROBO-J)を開発するとともに、利用者の相談・居場所アクセスシステム、教員のサポートシステム、市民・患者の共同参加システムをも備えたわが国初のメンタルヘルスプラットフォームを日本全国で利用可能にします。これにより、日常的にメンタルヘルスケアを行うことが当たり前の社会を実現し、個々のメンタル不調を予防し、メンタル不調を早期に手当てすることで、「こころの幸福度」の高い社会の実現を目指します。
 JST共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)は、大学等が中心となって未来のありたい社会像(拠点ビジョン)を策定し、その実現に向けた研究開発を推進し、プロジェクト終了後も、持続的に成果を創出する自立した産学官共創拠点の形成を目指す産学連携プログラムです。当拠点では、第一生命保険株式会社を筆頭に、複数の企業、大学、NPO、自治体と連携して社会実装を進めます。

研究の背景

 健康とメンタル不調・精神疾患発症には連続性があり、精神疾患は誰にでも罹患しうる一般的な病気(common disease)ですが、新型コロナ感染症の流行以前より、十分に社会に浸透していませんでした。このような理解が当たり前のこととして、社会に浸透することが、メンタル不調や精神疾患の予防や早期治療に欠かせない課題と考えられます。また、諸外国と比べ、種々のサービスが提供されていますが、メンタルヘルスサービスへのアクセスが十分でなく、必要な人に必要な情報が必要な時に容易に届かないことも課題とされます。
 こうした背景の中で、新型コロナ感染症が流行し、特に思春期で、うつ病、不安障害が増加し、2020年小中高生の自殺者も過去最大となりました。子供の精神的幸福度(こころの幸福度)は、OECDに加盟する先進国の中で37/38番目と極めて低く、身体的幸福度がOECD加盟国中1位であるのと対照的であり、若い世代へのメンタルヘルス対応が不可欠となっています。
 メンタルヘルスとは、「単に精神疾患にかかっていない状態を意味するのではなく、日々のストレスをやりすごし、他者と関わり、自分らしい行動選択のできる健康的な状態」とWHOによって定義されており、これを維持する有効なメンタルヘルスケアシステムを開発し、社会に実装することで、思春期等の若年者のメンタルヘルスを改善・向上することが本研究の目的です。

研究の概要

 ウィズ・ポストコロナにおいて、メンタル不調の予防はもとより、将来のウェルビーイングにも影響する、思春期を主とした若年者のメンタルヘルスへの早急な対応が求められています。
 本拠点では、こころの幸福度(メンタル・ウェルビーイング)の向上をゴールとして、その達成にむけて、わが国初のメンタルヘルスプラットフォームを構築します。プラットフォームでは、全世代対応型遠隔メンタルヘルスケアシステム(KOKOROBO-J)を入口に、同世代やピアサポーターとの交流、地域支援者への相談アクセス等を一元化し、メンタルヘルスケアが当たり前の社会を醸成します。KOKOROBO-Jは、児童・思春期から成人までのライフコースを通じて、メンタル不調の予防、メンタル不調者の早期手当、必要な人への医療への橋渡しを行う、いつでもどこでも誰でもアクセス可能な全世代対応型遠隔メンタルヘルスケアシステムで、モデル地域/学校で実証し、全国で利用可能にします。プラットフォームで、自分にあった対処法と相談方法などを見つけ、「メンタルヘルス」を維持して、充実した日常生活を送り、自分らしい人生を全うできる社会を実現します。
 また、児童・思春期から成人までの個々のライフステージを俯瞰したライフコースデータ基盤を構築し、リスク予測因子や介入予防法の開発はもとより、メンタル・ウェルビーイングの高い人生を実現し、健康寿命の延伸を図ります。

拠点情報

<拠点名称>
全世代対応型遠隔メンタルヘルスケアシステム(KOKOROBO-J)によるメンタルヘルスプラットフォームの開発・社会実装拠点

<拠点ビジョン>
いつでもどこでも誰でもアクセス可能なメンタルヘルスプラットフォームを開発・社会実装し、メンタルヘルスケアが当たり前の社会を醸成し、個々のライフステージを俯瞰したメンタル・ウェルビーイングの高い人生を実現し、健康寿命延伸を図る。

<参画機関>
(大学) 九州大学、鳥取大学、大阪公立大学、京都大学、名古屋大学、杏林大学、
慶應義塾大学、東京大学、横浜市立大学、千葉大学、東北大学
(企業) 第一生命保険株式会社、株式会社QOLead、サスメド株式会社、
株式会社テックドクター、株式会社アクセライト、
(NPO) メンタルケア協議会、東京メンタルヘルス・スクエア

<拠点代表者>
プロジェクトリーダー
竹田和良 (国立精神・神経医療研究センター 情報管理・解析部 室長)
副プロジェクトリーダー 
根本 敦 (第一生命保険株式会社 経営企画部 フェロー、国立精神・神経医療研究センター 情報管理・解析部客員研究員予定)
拠点設置責任者
中込和幸(国立精神・神経医療研究センター 理事長)

お問い合わせ先

【研究に関するお問い合わせ】
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 
病院 情報管理・解析部
室長 竹田和良
Email: ktakeda(a)ncnp.go.jp

【報道に関するお問い合わせ】
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター
総務課広報室
〒187-8551 東京都小平市小川東町4-1-1
TEL: 042-341-2711(代表) FAX: 042-344-6745
Email: ncnp-kouhou(a)ncnp.go.jp

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