2022年11月24日
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)
印刷用PDF(445KB)
The LANCET Neurology誌への山村隆特任研究部長特別寄稿
「Time to reconsider the classification of multiple sclerosis」
が掲載されました
国立精神・神経医療研究センター(NCNP)神経研究所免疫研究部 山村 隆 特任部長による、多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)についての特別寄稿が「Lancet Neurology」オンライン版に英国時間2022年11月18日に掲載されました。
<山村隆特任部長より>
自己免疫性神経疾患である多発性硬化症(MS)では、これまでは臨床経過に基づいて、再発・寛解型と進行型(一次性または二次性)に分類されてきました。このような伝統的な分類に対して、バイオマーカー、遺伝子多型、常在細菌叢解析などを取り入れた、新しい分類を提案すべき時期が来たのではないか、という内容の提言を行いました。
再発・寛解型MSの治療(国内承認薬8種類)と進行型MSの治療(国内承認薬1種類)は異なり、両者をしっかり区別することが大切です。しかし、これまでの臨床的分類では、再発・寛解型と進行型の境界は曖昧な部分が多く、治療薬の選択などにおいて問題が顕在化していました。
この提言は、NCNPで実施された研究成果である、二次進行性MSのバイオマーカーEomes陽性Th細胞の発見 (Raveney et al. PNAS 2021)、二次進行性MSの腸内細菌叢異常の同定(Takewaki et al. PNAS 2020)、バイオマーカー抗アクアポリン4抗体による精密医療の実現(Yamamura et al. New Engl J Med 2019)などに基づいたものです。
この提言が、世界中の研究者の目にとまり、脳神経内科医療の進歩に役立つことを祈っています。
特別寄稿
- タイトル:「Time to reconsider the classification of multiple sclerosis」(PDF)
- 著者名:Takashi Yamamura
- 雑誌:Lancet Neurology
お問い合わせ先
<研究に関するお問い合わせ>
国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター
神経研究所 免疫研究部
部長 山村 隆
TEL: 042-341-2711
FAX: 042-346-1753
E-mail:yamamura(a)ncnp.go.jp
<報道に関するお問い合わせ>
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター
総務課 広報室広報係
〒187-8551 東京都小平市小川東町4-1-1
TEL: 042-341-2711(代表)
FAX: 042-344-6745
E-mail:ncnp-kouhou(a)ncnp.go.jp
※E-mailは上記アドレス(a)の部分を@にかえてご使用ください。