神経研究所 岩坪 威 所長が2023年度「上原賞」を受賞しました

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2024年1月17日
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)

 

国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市) 神経研究所 岩坪 威 所長が、公益財団法人上原記念生命科学財団より、2023年度『上原賞』を受賞しました。

<受賞対象となった研究業績>
「アルツハイマー病・認知症性疾患の分子病態解明と治療薬の実用化」
加齢性神経変性・認知症性疾患の病態を解明し、アルツハイマー病疾患修飾療法の標的と作用メカニズムを明示。アルツハイマー病では、老人斑の主要成分がアミロイドβ(Aβ)42 ペプチドであることを証明し、家族性アルツハイマー病遺伝子プレセニリンの病因変異が Aβ42 の産生を高めることを発見した。更に、プレセニリンを活性中心に有するγセクレター複合体の形成機構と構造機能連関メカニズムを解明した。これら成果の実用化に向け大規模臨床研究 J-ADNI を組織し、治療薬の治験・実用化体制を築き上げ、抗アミロイドβ抗体薬レカネマブの治験を成功に導いた。近年では、アクアポリン 4 分子が神経細胞内タウ蓄積の進展と細胞変性を防御する機能を有することを発見し、グリンパティッククリアランスを新規の神経変性予防治療の標的メカニズムと位置づけた。また、パーキンソン病ならびにレビー小体型認知症についてもα-synuclein を病因タンパク質として確立した。

<リンク>
上原記念生命科学財団 これまでの上原賞受賞者
https://www.ueharazaidan.or.jp/ueharashou/koremadenoueharashou.html

国立精神・神経医療研究センター(NCNP)
神経研究所
https://www.ncnp.go.jp/neuroscience/