受賞式の様子(写真左/松本純弥 室長、写真右/日本うつ病学会 渡邊衡一郎 理事長)
■受賞論文:Cerebral cortical structural alteration patterns across four major psychiatric disorders in 5549 individuals (Molecular Psychiatry, volume 28, pages 4915–4923, 2023)
■概要:多施設共同研究で5549症例の脳MRIを用いてうつ病と双極症の気分障害を含む4大精神疾患について大脳皮質構造を疾患横断的に解析した論文です。うつ病と双極症とでは大脳皮質厚の菲薄化が統合失調症とも共通して認められ、大脳皮質の68の関心領域別の菲薄化パターンが類似していることが示されました。大脳皮質表面積ではうつ病・統合失調症で小さいものの、双極症では有意差がないという構造上の差異があり、関心領域別のパターンではうつ病・統合失調症・自閉スペクトラム症で類似していることが示されました。このような皮質厚・表面積といった構造によって精神疾患別に特徴が異なるという結果は、気分障害等の精神疾患間の生物学的病態の類似点や相違点を反映している可能性が考えられました。
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