ジストニア

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ジストニアとは

身体の筋肉が異常に緊張した結果、異常な姿勢・異常な運動を起こす状態です。運動を行う回路に混線が生じた結果、運動するという命令が過剰に出ている状態と考えられています。この問題が実際の脳や脊髄の異常で生じることもありますが、ほとんどはレントゲンやMRIなどの画像検査に異常が出ず、実際の筋緊張の評価(筋電図検査、超音波検査等)を補助的に行い、症状と合わせて診断します。問題のある筋肉の緊張を緩和するボツリヌス治療や内服治療が有効です。
原因のはっきりしない特発性ジストニアが大半を占めますが、他にも薬剤の影響で発症する遅発性ジストニアや遺伝子異常によって起こる遺伝性ジストニアもあります。症状が多くの場所に出ている場合には脳神経外科的に治療することもあります。
ジストニアは疑わないと診断できない病気です。ただし「こわばり感」「つっぱり感」だけではジストニアとは言えず、そこを正しく判断するだけでも大いに安心される方も少なくありません。お困りの際は早めに専門医を受診してください。

ジストニアの症状

緊張する筋肉の場所によってさまざまな症状を引き起こします。

  • 目があけづらい(眼瞼痙攣)
  • 首が曲がってしまう(痙性斜頚)
  • 字が書きづらい(書痙)
  • 声が出しづらい(痙攣性発声障害)
  • 話すときに舌が出てしまう(口舌ジストニア)
  • 食いしばってしまって口が開かない(口顎部ジストニア)
  • 階段を降りるときに足が内側に曲がってしまう(下肢ジストニア)
  • 歩くときに身体が後ろに曲がってしまう(軸性ジストニア)

特徴としては、異常運動・異常姿勢は一定の同じものであること(常同性)・一定の動作において強く見られること(動作特異性)・症状を改善させる決まった動作がある(感覚トリック)などがあり、診断にも有効です。特に動作特異性に関しては、実際の職業での体の動きと強く関係している場合も多く、お悩みの方も少なくありません(音楽家のジストニア、イップスなど)。

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