4月から環境が変わった方へ ~ライフイベントのストレスについて~(2022年4月)

4月から環境が変わった方へ ~ライフイベントのストレスについて~(2022年4月)

  1. TOP
  2. 患者の皆様へ
  3. 臨床心理部ブログ
  4. 4月から環境が変わった方へ ~ライフイベントのストレスについて~(2022年4月)

環境の変化によるストレス

 3月から4月は年度替わりの時期です。ちょうど今、会社では今年度の体制で仕事が始まり、引継いだ業務の確認をしたり、仲間の門出のさみしさを実感したりしている頃でしょうか。学校では始業式もあり、進級、進学と、新しい環境に入った頃ですね。
 この時期、ある人にとってはワクワクドキドキだったり、またある人にとっては先行きの見えない不安を抱えたり、何かと地に足がつかない人も多いと思います。環境の変化はどのような人にもストレスがかかるもので、自分でも気づかないところで疲れが溜まってしまっていることがあるかもしれません。就職や結婚、進学など、こういった人生において変化を伴う出来事を「ライフイベント」といいます。

ライフイベントのストレス点数

 上の表は、働いている人のライフイベントのストレス強度を数値化、順位付けしたものです。過去1年で起こった出来事の点数を足していき、その合計が300点以上だと、翌年に健康障害が生じる可能性が80%と言われています。
 点数上位の出来事は「それはストレス強いだろうな」と共感できるところかと思いますが、他には「結婚」などポジティブとみなされる出来事もストレスとなっています(番号の枠が塗ってある項目など)。自身にとって嬉しいことでも、新しいこと、先行きの見えづらいことは、少なからず心身に負担が生じます。
 また「自己の習慣の変化」などちょっとした変化もしっかりストレスがかかっているというのがわかります。細かいストレスがたまりにたまって…というのは、身に覚えのある人もいるかもしれません。

 年度替わりに起こりそうな出来事をまとめてみましょう。例えば「転職」は61点、「人事異動」は58点、「息子や娘が家を離れる」は50点、「自分の昇進・昇格」は40点…と重ねていくと、思いのほか結構なストレスがかかっているような気がしますね。

自分のストレス状況は…?

 「シリーズ:ストレスとうまく付き合うために ①-1~セルフモニタリングについて~」でも触れましたが、日々過ごしていると見過ごしてしまうストレスは多く、自分がどれだけ疲れているのかといったことは、気を付けて見直してみないと、意外とわかりません。

 上の表の「ストレス点数」、あなたはいかがでしょうか?「思った通り高い」、「意外と低い」など、人それぞれの感想を持たれるかもしれません。ただ、点数よりもご自身の「疲れ具合」、「いっぱいいっぱい具合」のような実感が大切です。結果にかかわらず、もし「最近ちょっときついな」と感じたら、こころの健康を守るためにも「自分なりのストレス対処法」を模索して実践してみることをお勧めします。「シリーズ:ストレスとうまく付き合うために②-1 ~ストレスへの対処~」も参考にご覧ください。

おわりに

 ストレスに関しては「人に話す、相談する」というのも有効な対処です。ご家族やご友人にご自身の悩みを思い切って話してみてはいかがでしょうか。もし専門家との相談をご希望であれば、オンラインカウンセリング「ストレス・不安とうまく付き合うためのプログラム」もご検討ください。お一人で抱え込まず、色々な人と一緒にこの時期を乗り越えていきましょう。
 なお、今回の内容は当院「リワークデイケア」のプログラムの一部から抜粋しています。こちらは、現在休職中で復職を目指している方、復職前のリハビリを考えている方向けのプログラムです。