国立精神・神経医療研究センター
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医療観察法の通院処遇

通院先

通院処遇の決定を受けた対象者は、医療観察法の通院医療を行う施設として国の指定を受けた「指定通院医療機関」に通院します。指定入院医療機関と異なり、市町村立や民間の医療機関も、また病院のみならず診療所も指定を受けることができます。

処遇の期間

ガイドラインでは3年と定められており、治療は前期(6ヵ月)、中期(18ヵ月)、後期(12ヵ月)の3期に分かれます。3年が経過すると、処遇は自動的に終了します。ただし、裁判所は保護観察所の長の申立てに基づき、処遇の早期終了を決定することができます。また逆に、最大2年の処遇延長を決定することができます。通院処遇が5年を超えて継続することはありません。

処遇中に著しい病状悪化や問題行動があり、通院処遇による回復が見込みにくいときは、保護観察所の長が再入院を申し立てます。裁判所がこれを認めると、対象者は指定入院医療機関で入院処遇を受けることになります。

治療の内容

指定通院医療機関では、ガイドラインに基づく通院治療が行われます。外来診療に加えて、しばしばデイケアや訪問看護が併用されます。また、医療観察法の通院処遇中であっても精神保健福祉法の入院は可能であり、入院処遇からの移行に伴う調整や、病状悪化の予兆があるときの休息などの目的で、一時的に入院することがあります。 対象者は通院治療と並行して、社会復帰調整官による精神保健観察を受けます。定期的な面会により、通院や生活の状況がモニタリングされ、必要な指導が行われます。 通院処遇では、入院処遇と同様に「ケア会議」を開催し、社会復帰調整官のコーディネートにより、対象者の地域生活を支え、社会復帰を促します。

終了後は……

医療観察法の処遇が終了しても通常、対象者は精神科に通院を続けます。一般の精神科医療、精神保健福祉サービスを受けながら、社会の一員として地域で生活します。



通院のガイドライン


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医療観察法の指定通院医療
関係ツール

医療観察法地域処遇体制基盤構築事業の調査結果報告書

司法精神医学研究部が実施した調査をまとめた、東京都福祉保健局の「医療観察法地域処遇体制基盤構築事業調査結果報告書」です。

内容
Ⅰ 東京都医療観察法通院処遇の現場の声
  1. 指定通院医療機関院長インタビューから
  2. 精神保健観察から見た東京都の医療観察法指定通院医療
    機関の整備に関連する要因?社会復帰調整官インタビューから
  3. 指定通院医療機関の精神保健福祉士が抱える困難と対応に関する調査
Ⅱ 指定通院医療機関における業務量調査
Ⅲ 常勤精神保健指定医の指定通院医療に関するアンケート
Ⅳ 情報提供 1:全国の通院対象者の実態と問題行動の分析
Ⅴ 情報提供 2:医療観察制度の各処遇段階において参考となる各種資料の紹介

医療観察法地域処遇体制基盤構築事業
調査報告書(PDF形式)