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プレスリリース詳細


 

令和元年9月26日

国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)

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デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬(NS-065/NCNP-01)の
製造販売承認申請について



 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(小平市 理事長:水澤英洋、以下、NCNP)は、日本新薬株式会社(本社:京都市、社長:前川重信、以下、日本新薬)と共同で見出したデュシェンヌ型筋ジストロフィー(以下、DMD)治療薬(NS-065/NCNP-01)の製造販売承認申請がなされたことをお知らせします。

 NS-065/NCNP-01は、NCNPと日本新薬の共同研究を通して創製されたエクソン・スキップ作用を有する核酸医薬品であり、ジストロフィン遺伝子のエクソン53スキップに応答する遺伝子変異を有するDMD患者に対する治療薬として期待されています。
 NCNPは、日本医療研究開発機構(AMED)研究費、厚生労働科学研究費等の多大な公的支援を受け、基礎研究から臨床応用に至るまでNS-065/NCNP-01の研究開発を継続的に行ってまいりました。NS-065/NCNP-01を初めてヒトに投与する治験(First in human試験)は、NCNPによる医師主導治験(UMIN: 000010964、ClinicalTrials.gov: NCT02081625として登録)として実施され、NS-065/NCNP-01は安全性について大きな問題がなく、治療効果が期待できることが示唆されました。DMDのように患者数が少ない希少疾患においては被験者集積の困難さにより治験実施に長期間を要しますが、本医師主導治験においては、NCNPが構築した神経筋疾患のナショナルレジストリー(Remudy)を用いて、効率的に被験者を集積することができました。以上の結果等を踏まえて、共同開発先である日本新薬による企業治験が実施され、今般、医師主導治験及び企業治験の成績に基づき、NS-065/NCNP-01の製造販売承認申請がなされることとなりました。
 DMDに対して現在本邦で行われている標準治療法は、進行を遅らせるステロイド剤以外では、脊椎変形に対する手術治療、理学療法、呼吸補助及び心不全対策等の対症療法のみです。NS-065/NCNP-01は、エクソン53スキッピングの治療対象となるDMD患者のジストロフィン産生を回復させることにより、疾患の進行を抑制するとともに疾患状態の改善することが期待されます。

 NS-065/NCNP-01の開発は、世界に先駆けて日本で進められており、厚生労働省の先駆け審査指定制度及び「エクソン53スキッピングにより治療可能なジストロフィン遺伝子の欠失が確認されているデュシェンヌ型筋ジストロフィー」を対象とした希少疾病用医薬品の指定を受けています。承認されれば、日本で初めて実用化されるエクソン・スキップ治療薬となる見込みです。NCNPは、引き続きRemudy等のレジストリを用いてNS-065/NCNP-01のライフサイクルマネジメントに貢献するとともに、クリニカル・イノベーション・ネットワーク(CIN)を推進し、難病・希少疾患領域での新たな医薬品等の開発戦略を提示していきます。

■助成金
NS-065/NCNP-01の開発は、以下の助成を受けています。
・日本医療研究開発機構(AMED)研究費
平成27-28年度臨床研究・治験推進研究事業「デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対するエクソン53スキップ治療薬による早期探索的臨床試験」
平成27年度障害者対策総合研究開発事業「デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対するエクソン・スキップ治療薬の臨床開発に資するバイオマーカーの探索」
平成28年度難治性疾患実用化研究事業「デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対するエクソン・スキップ治療薬の臨床開発に資するバイオマーカーの探索」

・厚生労働科学研究費
平成24-26年度医療技術実用化総合研究事業(臨床研究・治験推進研究事業)
平成23-25年度障害者対策総合研究事業(神経・筋疾患分野)
平成26年度障害者対策総合研究開発事業(神経・筋疾患分野)

・国立精神・神経医療研究センター精神・神経疾患研究開発費

■用語の説明
<デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)>
DMDは男児に発症するもっとも頻度の高い遺伝性筋疾患で、ジストロフィンと呼ばれる筋肉の骨組みを作るタンパク質の遺伝子変異により、正常なジストロフィンが作られなくなることで、重篤な筋力低下を示します。現在、その進行を遅らせるステロイド剤以外に有力な治療法は存在しません。

<エクソン・スキップ治療>
アンチセンス核酸と呼ばれる短い合成核酸を用いて、遺伝子の転写産物(メッセンジャーRNA)のうち、タンパク質に翻訳される領域(エクソン)の一部を人為的に取り除く(スキップする)ことで、アミノ酸読み取り枠のずれを修正する治療法です。正常なジストロフィンタンパク質に比べると、その一部が短縮するものの、機能を保ったジストロフィンタンパク質が発現し、筋機能の改善が期待できます。この治療の対象となるエクソンは、患者の変異形式に応じて異なり、NS-065/NCNP-01は、エクソン53を対象としています。


<NS-065/NCNP-01(ビルトラルセン)>
モルフォリノ化合物で合成されたアンチセンスと呼ばれる核酸医薬品であり、ジストロフィン遺伝子のエクソン53スキップに応答する遺伝子変異を有するDMDの患者対象に開発されました。核酸医薬品は遺伝子の構成成分である核酸と類似した構造を持ち、特定の遺伝子配列を標的として、その遺伝子から作られるタンパク質の産生を調節することで作用します。核酸医薬品により従来の低分子医薬品では難しかった疾患の治療が可能になると期待されています。

<神経・筋疾患のナショナルレジストリー Remudy(Registry of Muscular Dystrophy)>
希少疾患の治療法開発や創薬には、正確な疫学情報と臨床試験の参加者を速やかに集める仕組みが必要です。その仕組みとして、NCNPは、2009年に神経・筋疾患を対象とするナショナルレジストリー「Remudy」を開始しました。Remudyは患者さんと製薬関連企業・研究者との橋渡しをする登録システムであり、円滑な臨床試験の実施を可能にするとともに、患者さんへタイムリーに研究や臨床試験に関する情報を提供しています。

<先駆け審査指定制度>
有効な治療法がなく命に関わる疾患に対し、世界に先駆けて革新的医薬品等を日本発で早期に実用化すべく、国内での開発を促進する制度です。本制度の目的は、薬事承認に関する相談・審査で優先的な取扱いをすることで、日本における承認審査の期間を短縮することです。

<希少疾病用医薬品の指定制度>
従来、難病、エイズ等を対象とする医薬品や医療機器は、医療上の必要性が高いにもかかわらず、患者数が少ないことにより、本邦では十分にその研究開発が進んでいない状況にありました。こうした状況を踏まえ、これらの試験研究を促進するための特別の支援措置として希少疾病用医薬品等の指定制度が創設されました。対象患者数が本邦において5万人未満であること、医療上特にその必要性が高い等の条件に合致する医薬品等について、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が指定するものであり、助成金の交付、厚生労働省、医薬品医療機器総合機構(PMDA)及び医薬基盤・健康・栄養研究所による指導・助言、優先的な審査等の支援措置を受けることができます。

<クリニカル・イノベーション・ネットワーク(CIN)>
CINは、疾患登録システム(患者レジストリ)を臨床開発に利活用することで、日本国内における医薬品・医療機器等の臨床開発を活性化させることを目指し、そのための環境整備を産官学で行う厚生労働省主導のプロジェクトです。


 

【お問い合わせ先】
≪研究に関すること≫
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 理事
武田 伸一(たけだ しんいち)
TEL: 042-346-3595
e-mail: 

≪治験に関すること≫
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター
トランスレーショナル・メディカルセンター長
小牧 宏文(こまき ひろふみ)
TEL: 042-341-2711(代表) or 2712(内線:3052)
e-mail: 

≪報道に関すること≫
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 総務課広報係
住所:〒187-8551東京都小平市小川東町4-1-1
TEL : 042-341-2711 (代表) / FAX: 042-344-6745
E-mail: 
 

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