神経研究所 遺伝子疾患治療研究部 橋本泰昌 研究員が「第7回日本筋学会学術集会」にてStudent Award優秀賞を受賞しました

神経研究所 遺伝子疾患治療研究部 橋本泰昌 研究員が「第7回日本筋学会学術集会」にてStudent Award優秀賞を受賞しました

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2021年12月20日
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)

 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP、小平市、理事長:中込 和幸)神経研究所(所長:岩坪 威)遺伝子疾患治療研究部(部長:青木 吉嗣)の橋本 泰昌(はしもと やすまさ)研究員(日本学術振興会 特別研究員)が、一般社団法人日本筋学会第7回日本筋学会学術集会(開催時期:2021年12月11日~12月12日、開催地:京都・Webハイブリッド開催)において、Student Award優秀賞を受賞しました。

写真左より 橋本 泰昌 研究員、青木 吉嗣 部長

<演題名>
「短いジストロフィンDp140欠損は、興奮性シナプス伝達を抑制し、自閉症様行動を引き起こす」

<研究概要>
 デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者さんは、筋力や心機能の低下のほかに、脳症状も示すことが知られています。特に、脳には短いジストロフィン・タンパク質(Dp140)がありますが、Dp140が無いと自閉症スペクトラム症に似た症状が起こる理由は不明でした。本研究では、DMD患者さんと似た脳症状を示すマウスを用い、様々な解析が行われました。Dp140が無くなると、脳の扁桃体エリアにある神経細胞で興奮性シナプス伝達が低下し、マウス間どうしのコミュニケーション異常が起こりました。さらに、Dp140が回復すると、これらも改善することが分かりました。この成果は、DMD患者さんの脳症状が起こるメカニズムを理解し、新しい治療法を開発することにつながると考えています。
 なお本研究は、精神・神経疾患研究開発費2-6および日本学術振興会 特別研究員奨励費の支援により行われました。

<参考リンク>
NCNP神経研究所 遺伝子疾患治療研究部ホームページ
https://www.ncnp.go.jp/nin/guide/r_dna2/index.html

第7回日本筋学会学術集会webサイト
https://jms2021.symposium-hp.jp/