神経研究所 遺伝子疾患治療研究部 邦武克彦 研究員が第40回日本神経治療学会学術集会にて「医師 優秀演題候補セッション 優秀賞」を受賞しました

神経研究所 遺伝子疾患治療研究部 邦武克彦 研究員が第40回日本神経治療学会学術集会にて「医師 優秀演題候補セッション 優秀賞」を受賞しました

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2022年11月8日
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター (NCNP)

 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP、小平市、理事長:中込 和幸)神経研究所(所長:岩坪 威)遺伝子疾患治療研究部(部長:青木 吉嗣)の邦武 克彦(くにたけ かつひこ)研究員が、一般社団法人日本神経治療学会第40回日本神経治療学会学術集会(開催時期:2022年11月2日(水)~4日(金)、開催地:福島県郡山市・現地/オンラインハイブリッド開催)において、医師 優秀演題候補セッションの優秀賞を受賞しました。

授賞式の写真 写真中央に邦武 克彦 研究員、写真左に青木 吉嗣 部長、写真右に第40回日本神経治療学会長 藤原 一男 様

写真左/神経研究所 遺伝子疾患研究部 青木 吉嗣 部長
写真中央/同研究部 邦武 克彦 研究員
写真右/第40回日本神経治療学会長 藤原 一男 様

受賞演題
「Duchenne型筋ジストロフィーに対する薬剤検定系としての尿由来細胞」

研究概要
 Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)において、新規薬剤の有効性スクリーニングを目的とした無侵襲かつ再現性の高いヒト骨格筋細胞モデルが常に求められてきました。そこで、我々が着目したのは、患者さんの尿より樹立可能な尿由来細胞(UDCs)であり、この細胞に筋制御因子であるMYOD1遺伝子を導入して効率よく筋分化誘導できることがこれまでに分かっています。最近、DMDのエクソン44を対象としたアンチセンス核酸医薬(NS-089/NCNP-02)の医師主導治験の中で、我々は被験者からUDCs、線維芽細胞、筋芽細胞の3細胞種を提供してもらい、いずれも骨格筋細胞へ分化誘導させてから薬効評価を行いました。その結果、UDCsは他の2細胞種と遜色なく薬剤用量依存的なエクソン・スキップ効率向上とジストロフィン・タンパク質発現回復を観察可能でした。また、実際に薬剤投与をされた後の被験者筋組織でも、ジストロフィン・タンパク質は回復しており、UDCsでの結果と矛盾はみられませんでした。従って、UDCsによる薬剤検定系は、無侵襲に繰り返し構築できる利点もあり、今後の薬剤開発現場における活用が期待されます。
 なお本研究は、2019~2021年度 AMED 橋渡し研究戦略的推進プログラム「デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する新規配列連結型核酸医薬品の医師主導治験」の支援により行われました。

参考リンク
NCNP神経研究所 遺伝子疾患治療研究部ホームページ
https://www.ncnp.go.jp/nin/guide/r_dna2/index.html

一般社団法人日本神経治療学会ホームページ
https://www.jsnt.gr.jp/index.html