認知行動療法センター 片柳 章子 客員研究員が第9回「認知療法研究」 最優秀論文賞を受賞し、『第22回日本認知療法・認知行動療法学会』において受賞記念講演を行いました

認知行動療法センター 片柳 章子 客員研究員が第9回「認知療法研究」 最優秀論文賞を受賞し、『第22回日本認知療法・認知行動療法学会』において受賞記念講演を行いました

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2022年12月13日
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター (NCNP)

 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)認知行動療法センター(センター長:久我 弘典) 片柳 章子 客員研究員が、第9回「認知療法研究」 最優秀論文賞を受賞し、『第22回日本認知療法・認知行動療法学会』 (開催時期:2022年11月11日~11月13日、開催地:東京) において受賞記念講演を行いました。

片柳 章子 客員研究員と大野 裕 認知行動療法センター顧問の写真
写真左/片柳 章子 客員研究員
写真右/大野 裕 認知行動療法センター顧問

<受賞演題>
 「性暴力被害者への認知処理療法適用による心的外傷後ストレス障害の回復過程」
片柳章子,中島聡美,伊藤正哉,蟹江絢子,堀越勝. 認知療法研究14(1),97-107, 2021.

<研究概要>
 性暴力被害者は心的外傷後ストレス障害(Posttraumatic Stress Disorder; PTSD)の有病率が高いことが報告されている(Kessler et al, 2017)。認知療法ではPTSDの回復を妨げる機序として、外傷体験を自分の信念と過去の経験に関連づけて解釈する点があげられる(Resick et al, 2017)。認知処理療法(cognitive processing therapy; CPT)では、頭の中で蟠った考えを認知再構成する過程で、自分の思考パターンに気づき、自責や極端な考えから、新たなほどよい考えを見つけ出すことを目的としている。
本稿では、性暴力被害後にPTSDとパニック発作が顕著となり、CPT導入に至った一事例について報告している。性暴力被害者に特有な認知様式の再構成により、クライエントは現実的な思考と適応的対処が可能となり、症状回復に繋がったものと考えられる。本事例のCPTによるPTSD症状改善の機序について、認知の変化を通し,効果について考察した。

<所属施設リンク>
NCNP認知行動療法センターホームページ
https://www.ncnp.go.jp/cbt/