遺伝子疾患治療研究部 邦武克彦 研究員が第9回日本筋学会学術集会にて「 Student's Award最優秀賞」を受賞しました

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2023年9月6日
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)

国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター神経研究所遺伝子疾患治療研究部(部長:青木 吉嗣)の邦武 克彦(くにたけ かつひこ)研究員が、一般社団法人日本筋学会第9回日本筋学会学術集会(開催時期:2023年8月18日(金)~19日(土)、開催地:大阪府豊中市・現地開催)において、Student’s Award最優秀賞を受賞しました。

左/邦武克彦 研究員、右/第9回日本筋学会学術集会 松村剛 大会長、賞状の写真

人物左/邦武克彦 研究員、人物右/第9回日本筋学会学術集会 松村剛 大会長

受賞演題
「デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者のCD90陽性尿由来細胞を用いた高精度なエクソン・スキップ治療評価系」

研究概要
Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)において、新規薬剤の有効性スクリーニングを目的とした無侵襲かつ再現性の高いヒト骨格筋細胞モデルが常に求められてきました。そこで、我々が着目したのは、患者さんの尿より樹立可能な尿由来細胞(UDCs)であり、この細胞に筋制御因子であるMYOD1遺伝子を導入して筋分化誘導できることがこれまでに分かっています。最近、我々はシングルセル・トランスクリプトーム解析を駆使して、UDCs中の特に筋分化しやすい細胞集団が発現するマーカーとしてCD90を同定しました。さらに、DMD患者由来のCD90陽性UDCsより作出した骨格筋細胞を用いて、エクソン・スキップ治療の有効性を評価したところ、従来よりもジストロフィン・タンパク質の発現回復の程度を鋭敏かつ再現性高く検出可能でした。従って、CD90陽性UDCsを用いた高精度なエクソン・スキップ治療評価系は、無侵襲に繰り返し構築できる利点もあり、今後の薬剤開発現場における活用が期待されます。


参考リンク

NCNP神経研究所 遺伝子疾患治療研究部ホームページ
https://www.ncnp.go.jp/nin/guide/r_dna2/index.html