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NCNP 精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部 吉池卓也室長が日本睡眠学会第44回定期学術集会でベストプレゼンテーション賞優秀賞を受賞

2019年7月9日
国立研究開発法人国立精神・経医療研究センター (NCNP)

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 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市、理事長:水澤英洋)精神保健研究所(所長:金吉晴)睡眠・覚醒障害研究部(部長:栗山健一)室長の吉池卓也(よしいけ たくや)が、日本睡眠学会第44回定期学術集会(開催時期:2019年6月27~28日;開催地:名古屋国際会議場)において、ベストプレゼンテーション賞 優秀賞を受賞しました。
 
・受賞タイトル:
「双極性障害において時間知覚の日内変動はクロノセラピーに対する即時抗うつ反応と関連する」

・発表概要:
  ヒトの体内時計には、睡眠・覚醒や摂食といった24時間の周期的行動を支える機能とは別に、秒~分~時間単位の多様な時間間隔の見積もりを支援する機能が備わっており、これが目的遂行や社会的同調に重要な役割を担うと考えられています。秒単位を見積もる短時間知覚は、一日の中で深部体温やメラトニンといった概日位相指標と強い相関を持って変化することから、概日機構の簡便な指標となる可能性が示唆されます。夜間に覚醒を保ち(覚醒療法)、朝に高照度光照射を受ける(光療法)、クロノセラピーと呼ばれるうつ病治療法は、現在の主流である薬物療法とは異なる機序で即時的な抗うつ効果をもたらすと推測され、概日機構の機能不全が病態に関与する双極性障害のうつ病相に対する有効性が確認されています。
 本研究は、本治療が施されたうつ病相の双極性障害患者において、短時間知覚の概日変動パターンを、治療反応性とともに評価しました。時間知覚は、主観的気分と強く同期し、抑うつ寛解群と非寛解群の間で異なる変動パターンを示しました。治療初期24時間において、時間知覚の変化が大きな者ほど、1週間後の治療転帰が良好でした。
 本結果から、双極性障害の治療反応性予測に短時間知覚が簡便かつ有用な指標となる可能性のみならず、双極性障害の病態及びクロノセラピーの作用機序において、概日制御が重要な役割を果たすことが示唆されます。なお、本研究はSan Raffaele大学(イタリア、ミラノ)との共同研究として行われました。


精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部ホームページ

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