脳神経小児科診療部 は、小児期に発症する様々な脳や筋肉の病気を診療の対象としています。
その中でもデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の診療、研究に継続的に取り組み、新薬の開発に貢献しています。
DMD研究に大きく貢献
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)研究はNCNPの重点的な取り組みの一つです。欠損しているジストロフィンタンパク質が筋細胞膜に存在することを発見した研究や、筋レポジトリーやモデル動物を用いた基礎研究など、世界トップレベルの実績が数多く認められてきました。近年は基礎研究の成果を実用化するための臨床研究にも力を入れています。当部は遺伝子疾患治療研究部と連携して、エクソン53スキッピング治療薬「ビルトラルセン」の日米での薬事承認に大きく貢献してきました。続いてエクソン44スキッピング治療薬「NS-089/NCNP-02」の早期臨床試験でも良好な結果を見いだしています。
NCNPでは、エクソンスキッピング治療以外にも、DMD治療薬の開発を活発に行っています。中でもウイルスを運び役として用いジストロフィン遺伝子を全身に送りこむ遺伝子治療の開発は、検証段階(第3相臨床試験)に進んでいます。このような遺伝子治療は世界的に注目される分野です。当センターは日本でも遺伝子治療が円滑に行えるよう、体制整備に貢献しています。ウイルス拡散を防止する法律(カルタヘナ法)を現場でスムーズに遵守できるよう作成したマニュアルは、全国で活用されています。
個々の力を合わせDMD研究を加速
私たちは臨床や研究から得られる情報を未来に活かす仕組み作りにも取り組んでいます。Remudyはそのひとつで、筋ジストロフィーをはじめとした神経・筋疾患の治療法開発促進を目的とした患者登録システムです。2009年から運用され、これまでに4000名以上の患者さんの情報を蓄積しており、臨床研究や治験を計画する際に有用なデータを提供することができます。Remudyでは疾患の進行具合を示すデータ(自然歴)を得ることも可能です。また、臨床研究や治験に参加できる患者さんの登録にも活用されています。世界中の情報が容易に入手できる時代になりましたが、大量に存在する情報から適切な情報を得るのは簡単なことではありません。私たちは患者さんをはじめ一般の方々への情報提供に取り組むため、2024年に「神経筋疾患ポータルサイト」というウェブサイトを開設しました。主に筋ジストロフィーについて、治療法研究の進捗や治療法開発の基礎知識などをわかりやすく解説し、研究や治験に関わる情報を得やすくしています。
このように臨床研究や診療の基盤となる仕組みを整えることで、患者さんやご家族にも診療や研究に参画していただき、疾患克服の歩みをさらに進めていきたいと考えています。
リファレンス
- 神経・筋疾患患者登録Remudy ウェブサイト https://remudy.ncnp.go.jp/
- 神経筋疾患ポータルサイト https://nmdportal.ncnp.go.jp/
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