中枢性過眠症は、日常的に耐えがたい眠気(睡眠発作)が生じ、午睡が高頻度に出現します。情動脱力発作を有するナルコレプシー(Type 1)では、オレキシン神経機能が低下しております。オレキシン神経系は恐怖情動の調節に関わっており、この機能が低下すると恐怖情動が減弱する可能性が動物実験で示されています。
午睡(昼寝)は宣言記憶や手続き記憶の定着とともに、恐怖記憶の消去に関わることが知られていることから、中枢性過眠症患者さんは恐怖出来事に対して、抵抗力が高い可能性が推測されます。
これを定量的に評価するため、ナルコレプシー患者さん、その他の中枢性過眠症患者さんを対象に、午睡が恐怖情動に及ぼす影響を調べる研究を計画しています。