睡眠関連運動障害

どんな病気?

 睡眠関連運動障害は、睡眠中や睡眠前後に出現する比較的単純で常同的な体の動きを主な特徴とし、睡眠の妨げとなります。この点で、複雑な行動を引き起こす睡眠時遊行症、夜驚症、レム睡眠行動障害などの睡眠時随伴症とは異なります。周期性四肢運動障害(PLMD)、むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群:RLS)が代表的な疾患で、しばしば両疾患は併存します。このほか、睡眠中にこむら返りや歯ぎしりが繰り返し生じる疾患もここに含まれます。

むずむず脚症候群(RLS)

 主に夕方から夜にかけて静かに休んでいる時に、四肢(主に下肢)に「むずむず」「痛い」「かゆい」「虫が這う」等で表現される不快な感覚が出現し、四肢を動かしたい衝動に駆られることを特徴とします。四肢を動かしたり、異常感覚部位に刺激を与えることで不快感が緩和されますが、安静状態に戻ると再び症状が出現します。これにより眠気があっても眠りに入ることが妨害され、極めて強い苦痛を伴います。

周期性四肢運動障害(PLMD)

 睡眠中に、四肢(主に下肢)の筋肉が急速に収縮しては弛緩する不随意運動(ミオクローヌス)が繰り返し起こり、深い眠りが妨げられ中途覚醒が増加します。軽症例では症状が自覚されない場合も多いですが、重症例では主に日中の眠気や倦怠感が主訴となります。PSGで周期性四肢運動が確認され、初めて診断に至ることも多くあります。RLSにおいてもしばしばPSGでPLMDの合併を確認することが診断の助けになります。

 いずれの疾患も、鉄が不足する貧血や腎不全などの病気に伴って出現することが多く、鉄不足によりドパミン産生が妨げられることが一因と考えられています。ドパミンの働きを助ける薬が治療薬として有効です。