体内時計と情動調節

 うつ病や双極性障害(躁うつ病)は、体内時計の機能異常と関連することが知られています。我々は、体内時計機能を反映する時間知覚(時間の経過感覚)が1日の中でどのように変化するかが、うつ病の治療効果と関連することを発見し、日常診療への応用可能性に関する研究を計画しています。
 これまで安定した構造体と考えられていた脳が、1日の中でも刻々と変化し(可塑性)、睡眠中と覚醒中では形態が異なることが明らかになってきました。我々は、脳の構造的な日内変化の規則性に注目し、うつ病や双極性障害で特徴的に変化する脳部位を突き止め、病態の評価法や治療法の開発に役立てることを目指しています。