若年者の睡眠・覚醒後退障害、非24時間型睡眠・覚醒リズム障害の神経生理学的病態機序


 睡眠・覚醒相後退障害(DSWPD)非24時間型睡眠・覚醒リズム障害(Non-24)は、内因性概日リズム(体内時計)と社会生活で要求される睡眠-覚醒リズムとの同調困難を主病態とし、精神疾患や発達障害の併存率が高いことが確認されています。
 我々はNon-24の患者さんが健常者に比べて内因性概日リズム周期皮膚細胞の遺伝子転写リズム周期が延長していることを世界で初めて報告しました。
 睡眠-覚醒の神経基盤は、注意の維持・集中・配分といった注意機能を担う神経基盤と連動している可能性が指摘されています。これらの関連性を調べることで、概日リズム睡眠・覚醒障害と精神疾患・発達障害の機能病態に迫ることができます。
 これら一連の研究はセンター病院精神科・睡眠障害センターと協力して進めています。新たな疾患診断分類を開発し、これに基づく効果的な治療・介入法の開発を目指しています。