切れ目のないてんかん治療を提供 総合てんかんセンター

切れ目のないてんかん治療を提供 総合てんかんセンター

総合てんかんセンターでは、脳神経小児科、精神科、脳神経外科、脳神経内科のてんかん専門医が連携し、
高度なてんかん専門医療で、あらゆる年代のてんかんに対応しています。
また、NCNPの研究所および他部門と協力しての研究、さらにレジデント医師への教育を行い、
てんかん専門医の育成にも取り組んでいます。

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NCNP病院総合てんかんセンター

てんかん診療部と
総合てんかんセンター創設

 てんかんは疾病率が0.8~1%で、小児から高齢者まで、どの年齢でも誰もが発症する可能性がある、患者数の多い脳の慢性疾患です。超高齢社会を迎えたわが国では高齢者のてんかん患者が増え、今後さらに成人・高齢者てんかん医療の必要性が増加することが予想されます。NCNPでは、超高齢社会に対応して、成人・高齢者てんかんの包括的診断と治療体制をより一層充実させるために、てんかん診療部を立ち上げました。同時に、乳幼児から高齢者まであらゆる年齢層に対して、切れ目のない適切なてんかん診断と診療の提供、先駆的な臨床研究、社会啓発活動を行うため、組織を「総合てんかんセンター」と改め、診療連携体制を強化しました。
 更に、てんかんに関する情報を集めたリソース・レポジトリーシステムを構築し、病態解明、診断と治療方法の開発・提言を行うことを目的に診療、臨床研究を行っています。また、臨床データの大規模な集積を行い、AIを用いた適切な診断と治療方法の開発を目指した研究にも取り組んでいます。

NCNPにおけるてんかんの診療と研究の図

図1:NCNPにおけるてんかんの診療と研究

厚生労働省
てんかん地域診療連携体制整備事業

 てんかん患者さんの70~80%は適切な内科的・外科的治療により発作が抑えられ、日常生活や就労を含む社会生活を営むことが可能です。しかしながら、わが国では成人・高齢者てんかんを診る専門医が不足しており、てんかんに対する知識不足と偏見から患者さんの社会進出が妨げられているのが現状です。厚生労働省は、2018年度から各都道府県でてんかんに関わる医療機関の中核となる専門医療施設を指定し、てんかん患者・家族が地域で安心して治療が受けられるようになること、関係する診療科間と多職種間の連携の推進を目指して、てんかん地域連携事業を開始しました。NCNPは本事業の調整役となる診療全国拠点「てんかん全国支援センター」に指定され、全国てんかん地域支援拠点の整備と拡充、てんかん診療支援コーディネーター認定制度策定や研修会の実施、てんかん支援ネットワークの整備を行っています。2021年度末時点で、全国自治体で23の医療施設が、地域の診療拠点「てんかん支援拠点病院」に認定されています。

てんかん診療支援コーディネーター認定制度の図

図2:てんかん診療支援コーディネーター認定制度


リファレンス

リファレンス
1. 患者のギモンに答える! てんかん診療のための相談サポートQ&A. 国立精神・神経医療研究センター病院. 診断と治療社. (2021)
2. 中川 栄二. 精神・神経トピックス てんかん地域診療連携体制整 備事業の現況. 医療の広場 (2022) 62, 25-27.

研究部紹介

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てんかん診療部、総合てんかんセンター/中川栄二 特命副院長、部長

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てんかん医療チームのメンバー

【ホームページリンク】
NCNP病院 総合てんかんセンター
https://www.ncnp.go.jp/hospital/patient/special/epilepsy.html

東京都てんかん支援拠点病院
https://tokyo-esc.ncnp.go.jp/

▼NCNP内連携組織リンク


記事初出
「Annual Report 2021-2022」(2022年12月発行)
>広報誌